NPO法人さいたま市マンション管理士会 会長ごあいさつ

　マンション管理適正化法が施行されてから、15年程経過いたしました。しかし、この法の目指すマンション管理を適正にすることや居住者の立場に立って利益となる管理が実施されるようになったかと言えば、非常に疑問があります。2ヵ月に１回開催しております当会主催、さいたま市後援のマンション管理セミナー等に於てマンション管理の重要性や今後想定されるマンション管理の問題に対する内容にて実施し、啓蒙活動をしております。しかし、マンション居住者は、まだ、管理組合の問題として自ら解決しなければならないという認識まで至らず、何の責任も生じない管理会社が何とかしてくれるものと思い込んでおり、適正に管理されているとはいえず、また、自分の資産は自分で守るといった意識を持っての自立とは至っていないのが現状です。このような問題に対し、管理組合及びマンション居住者に対し、適切な指導・助言を居住者の立場に立って実施する必要があります。
　また、マンション管理士に関係する団体は、現状維持及び役員の立場の保持といったことに主眼が置かれ、本来の法の趣旨であるマンション管理を健全な形に変えようといった方向に進んでいるとは、考えられません。このことは非常に残念なことであり、新しくマンション管理士として資格を取得しても仕事の場がなく、このままでは、マンション管理士の資格そのものの存在自体が危惧される状況となっております。
　このようなマンション管理及びマンション管理士問題を解決・支援するために、ここにさいたま市と共にマンション管理適正化を実現すべく、また、さいたま市をマンション管理全般に於ける全国のお手本となるよう当会を設立するものです。

NPO法人さいたま市マンション管理士会　会長　高頭　義浩